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犬同士が喧嘩する原因は?止めたほうがいいの?

犬はもともと群れで暮らす動物なので、社会性があります。
けれども、理由があれば犬同士で流血をともなう喧嘩をすることもめずらしくありません。
ドッグランの利用、犬連れ旅行時のアクティビティの際など、愛犬がノーリードになるシチュエーションでは、ほかの犬との触れ合いには注意したいものです。
犬同士の喧嘩の原因はさまざまですが、主なものは以下のとおりです。
- おもちゃ、おやつなどをめぐる争い
- 飼い主さんや居場所などへの独占欲から、近づく犬を追い払うため
- ただ単にお互いの相性が悪く、同じ空間にいるのが不快だから
- 先住犬との暮らしで子犬を迎えた場合などに生まれる、先住犬の嫉妬心
犬は、相手に大きなダメージを与えられる犬歯を備えています。
最悪の場合、犬同士の喧嘩で負った怪我やショックなどが原因で死亡してしまうこともあります。
犬同士が喧嘩を始めた場合は、すぐに止めるようにしましょう。
犬と旅行に行く前や、ドッグランを利用する前、新しい犬を迎える際は、犬の喧嘩に対する対処法を心得ておいてください。
じゃれ合いとの見分け方は?

犬がじゃれ合っているのか、喧嘩をしているのか、見分けがむずかしいケースもあるでしょう。
じゃれ合っている場合は、犬はゴロゴロと地面に転がったり、歯茎を見せるほど牙を剥きません。
けれども喧嘩の場合は、じゃれ合っている時よりも明らかに犬同士は激しい様子で、歯茎が見えるほどに牙を剥き、犬によっては背中の被毛が逆立っています。
降参する態度を示した犬は尻尾を股の間に挟んで仰向けになったりしますが、同程度の力で争っている場合は、ゴロンと地面に転がることはなく、相手に激しい勢いでお互いが乗りかかろうとするでしょう。
喧嘩の止め方(仲裁方法)は?

犬がたくさんいるドッグランでは、ほかの犬との争いになるのを避けるため、おやつやおもちゃなどはなるべく出さないようにしたいものです。
もしノーリードの犬同士が喧嘩を始めた場合、愛犬や相手の犬の怪我を防ぐためにも仲裁をしたくなると思います。
喧嘩が始まってしまったら、高い興奮状態にあるので呼び戻しなどをしても愛犬の耳には入らないでしょう。
人が犬に咬まれないような安全な喧嘩の止め方は、喧嘩をしている犬の気をそらすこと。
ドッグランであれば、水飲みボウルやバケツに入れた水を、喧嘩中の犬にかけるのがひとつの方法です。
大きな音を出したり、ホウキなどの掃除道具、お散歩バッグなどを犬と犬の間に入れる方法もあります。
全力でスピーディーに、相手の犬から注意がそれるように対処しましょう。
水も道具もない場合、人が間に入ることになるかもしれませんが、その際は犬に咬まれないように最大限の注意をしてください。
たとえば、取っ組み合った状態の犬同士を引き離そうとして背後から愛犬を抱こうとした瞬間、振り返りざまにガブリと咬まれるケースがあります。
愛犬をほかの犬から引き離す際は最初から抱っこを目指すのではなく、まずは後頭部下から首辺りの皮をつかむなど、犬も痛みを感じず、人には犬の歯が届かない部位をつかむのが良いでしょう。
すでに愛犬やほかの犬が相手に咬みついてしまっている場合、無理に引き離そうとすると、傷が深くなったり拡がったりする恐れがあるので、タイミングを見計らうことも大切です。
新しい犬を迎える際(多頭飼い)の対処法は?

先住犬がいる家庭に新しい犬を迎える際は、犬同士の相性が気になるでしょう。
まず、先住犬が留守番中に寂しがらないようにといった理由で新しい犬を迎えようとしているのであれば、立ち止まって考える必要があります。
そもそも、先住犬は独りで留守番をする時間があったとしても、飼い主さんとの暮らしに満足しているかもしれないということ。
“ワン・オーナー・ドッグ”などと呼ばれ、飼い主さんと結ばれた絆だけで満足できるタイプの犬も少なくありません。
そこへ新しい犬を迎えた場合、飼い主さんとの関係性を壊したり、飼い主さんの愛情を奪ったりするライバルと認識し、先住犬と新しい犬の間で喧嘩が勃発する可能性があります。
特に、集団で仕事をすることのないテリア犬種や、独立心が高い日本犬は、多頭飼い向きと言えないケースも少なくありません。
多頭飼育をする前に、先住犬の性格やタイプを再確認してから、次の犬を迎えるのをやめるという結論も含めて準備を進めましょう。
先住犬にとっては、自分の存在をおびやかさない子犬のほうが受け入れやすい傾向にあります。
また、もともと順応性が高い子犬は、先住犬にもなじみやすいもの。
先住犬の性格にもよりますが、多頭飼育をする場合は、一般的には可能な限り子犬が望ましいと言えるでしょう。
先住犬がいる家庭に保護犬などを迎える場合、トライアル期間を設けている保護団体などから受け入れるようにして、正式譲渡の前に数週間ほど先住犬との相性を確かめてください。
新しい犬を迎えてすぐは、なるべく先住犬のストレスにならないように先住犬にこれまでどおりの愛情を注ぐのも大切です。
また、喧嘩にならないようにおもちゃや食事は別々にするといった工夫も、必要に応じて行ってあげましょう。
ほかの犬との上手なコミュニケーション方法は?
愛犬がほかの犬と喧嘩にならないように、犬同士のコミュニケーションが上手にとれるようになってくれれば安心です。
そのために最良の方法は、子犬期に犬同士の遊びを通して、犬社会のルールやマナーを学ばせること。
専門の知識を持っているドッグトレーナーのサポートを受けながら遊べる、“犬の幼稚園”やしつけ教室のパピークラスなどを利用できればベストです。
子犬期に犬同士の触れ合いに慣れさせる“社会化”ができなかった場合でも、散歩で仲良しになった犬とあいさつをしたり遊ばせながら、犬同士の円滑なコミュニケーション法を学べる可能性があるのであきらめないでください。
ドッグランなどで、ほかの犬と仲良くなる方法も心得ておきたいものです。
もっとも重要なポイントは、飼い主さんが緊張しないこと。
愛犬には、飼い主さんの緊張は必ず伝わり、同じように緊張してしまうからです。
まずは飼い主さんがリラックスして笑顔で、ほかの犬やその飼い主さんに接しましょう。
リードをしたままほかの犬と触れ合わせる場合は、愛犬のリードをゆるめてください。
そうすれば、いざという時は逃げられるという安心感を愛犬に抱かせてあげられます。
抱っこをしたままであったり、リードがピンと張った状態のほうが、犬同士の心に余裕がなくなり喧嘩になりやすいことが知られています。
空間と気持ちにゆとりを作って、犬同士を触れ合わせるのが重要です。
もし相手の犬がガウっと威嚇のサインを示したら、すぐに愛犬と一緒にその場から離れるのも、喧嘩を未然に防ぐのに欠かせないポイントです。
犬によっては、ほかの犬にほとんど興味がなく、特に犬同士のコミュニケーションを取りたがりもしないでしょう。
それも個性のひとつなので、飼い主さんの理想と希望で、愛犬にほかの犬との交流を無理強いさせないようにしてあげましょう。
まとめ

犬はさまざまな原因で喧嘩をします。
もし激しい喧嘩になった場合は、早急に止めないと大怪我や命に関わることもあるので、犬同士の喧嘩を軽視してはいけません。
犬種や犬の性格などによっては、ほかの犬との触れ合いを好まない犬もいます。
愛犬がそのようなタイプであれば、多頭飼いなどはあきらめて、愛犬だけに愛情を独占させてあげるのも選択肢のひとつと言えるでしょう。
喧嘩が起こりにくくなるように、ハード面でもソフト面でも環境を整えて、愛犬とのお出かけを安心して楽しんでくださいね。