
ひっそり佇む特等席

明治24年に建築された、富士屋ホテルの顔ともいえる本館。こげ茶の調度品に囲まれた重厚な雰囲気が特徴です。ホテルの回転扉の入り口を通り抜けた瞬間、場所だけでなく時代まで飛び越えてしまったかのような錯覚に陥るほど、クラシックな美しさが広がります。
その中央にある吹き抜けの大階段を、胸を弾ませながら深紅の絨毯に導かれて上っていった先に、この特等席がひっそりとあります。
壁一面の大きな窓の向こうには、斜面に沿って自然味あふれる見事な日本庭園が広がっていて、この時はぎりぎり紅葉した木々が見られました。
静かに外を眺めていると現実が遠のいて、今自分がどこにいるのかわからなくなってくるほど。昔の物語の中に入り込んでしまったかのような気分にうっとりと浸りたい人におすすめの特等席です。
まるで「お嬢様のお部屋」のような本館客室

今回は本館に宿泊。白く高い天井にはシャンデリア、壁にはふんわりとした白いレースのカーテンが揺れ、あまりの可愛さに、この客室を「お嬢様のお部屋」と呼んでいました。
アンティークな雰囲気のランプシェードの乗ったクラッシックなデスクには、素敵なレターセットが。普段手紙を書かない私も、思わず紅茶をのみながら誰かに書きたくなってしまう完璧なシチュエーションです。
部屋の中には一部がくりぬかれたようなとてもフォトジェニックな壁があり、レースのカーテンに縁どられた様子はまるで絵画の額縁のよう。その先には窓越しに箱根の山々が見えて、ベッドにボーッと寝転びながらその「絵画」を眺める時間がとてもお気に入りでした。
ノスタルジックな雰囲気の天然温泉プール

実はここは、温水プールならぬ温泉プール。箱根・宮ノ下の天然温泉を使用しています。お風呂ほどは熱くなく、水よりは少し暖かい程度の水温ではありますが、冬でも快適に泳ぐことができるのでぜひ水着をお忘れなく!
チェス盤のような白黒のクラシックな床に白と青の色づかいが、昔の西洋のリゾートのようなノスタルジックな雰囲気でおしゃれ。でもよくよく見ると漁の絵が飾られていて、和洋折衷な面白い空間です。
宿泊者専用で、出入りする人も少なく静か。プールサイドで本を読んだりしながら、のんびりとした時間を過ごすことができます。
以前はだいぶ時代がかっていましたが、リニューアルでタイルの目地までピカピカに。そしてプールのすぐ横には新しくジムも併設されました。
富士屋ホテルを象徴するレストランで朝食を

朝食をいただいたのは、圧巻のメインダイニングルーム・ザ・フジヤです。日光東照宮をモデルに造られているとのことで、大きな窓には簾、6メートルもある高い天井には絵画の描かれた格天井、柱には彫刻が彫られて大迫力の空間。
朝食はフルサービスブレックファストで、私は「ペストリーブレックファスト フジヤ」にしました。フレッシュなジュースに山盛りサラダ、甘い香りの漂うフレンチトースト、たっぷりとポットに入ったジャムやはちみつ、温かいソーセージやスープ…テーブルに乗り切らない程のメニューが次々に運ばれてきます。
パリッと端正な制服を着た給仕の方に丁寧にサーブされながら、朝日にキラキラ光る美しい食器を眺め夢見心地の中でいただく、美味しい朝食。幸せな旅の一日の始まりに、ぜひどうぞ!
一度は宿泊してみたい、憧れの「富士屋ホテル」。
次に箱根を訪れる際は、歴史と伝統あふれる空間を体験してみてください。
- 富士屋ホテル
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住所:神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下359
TEL:0460-82-2211
ウェブサイト:富士屋ホテル
ANAトラベラーズ公式Instagram:@hayari_tabi
トレンドメーカーInstagram:@_mugi_photo_
- 記載の内容は2021年6月現在のものです。営業状況が通常と異なる場合がございますので、訪問時は最新情報をご確認ください。

